1985/日本 監督、脚本:押井守
天使のたまご | |
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彼はこれを作って、しばらく干されたと言う。さもありなん。最大公約数で語られるエンターテイメントに背を向けた映画だからだ。
これを何度も見返しては、映像に描かれた全ての意味を読み解こうと、熱心に話し合った日々を想い出す。あの頃は若かったのだよ…(笑)
深読みしようと思えばいくらでもできるし、そうでなくても雰囲気だけで充分酔わせてくれる。「語ることで薄くなる現実」とは全く逆。「無言で重ねられる映像の力」を信じ、最大限に引き出した。その作画レベルは凄まじい。CG全盛になって、“ものが動く”ことが当然の如く扱われるようになったが、止まったように動く表現(あの少女の微笑みときたら!)は、まだまだ手書きでなければ出せないだろう。
ちなみに私の解釈は。
「少女は最初から真実(鳥の死)を知っていた。しかし街(夢)にいたいがため、卵(期待)にすがった。
鳥を探す少年は、真実を告げるために現れた。恐らく、少女が無意識に望んでいたのかもしれない。
真実の意味を知った少年は、自分の役割(卵を壊し、少女に真実を与える)を行う。
卵の破壊。壊れた卵は、もう何も育まない。
真実を知った少女は、街(夢)から追放され、太陽(現実)へ旅立った。」
想い出しながらまとめてみたが、ちょっと違うかな…。
性的なニュアンスにもなぞられるので、そのあたりもいろいろ考えると、とても面白い。
あれから20年。『イノセンス』を見ると、押井守の表現は、実はこの頃からあまり変わっていないことに気がつく。現実と非現実(ネット)の狭間でたゆたう、バトーと素子は、あの頃の少年と少女の変わり身…なのだろうか。
大事なものは、お腹の中へ入れておかないと、無くしてしまうよ*人気ブログランキング
★緩く流れる音楽が、耳に残って離れない
天使のたまご 音楽編 | |
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