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ヒトコトシネマ☆インプレッション

「ヒトコト」と言いつつダラダラと映画の印象を紹介。大劇場系から文芸・アニメ系。新旧問わず節操無しシネマブログです
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No.188 - 2005.07.18 (22:36) [た・ち・つ・て・と]
Title : 天空の城ラピュタ[Laputa, the Castle of the Sky]
★“楽しむ”心を、想い出させてくれた一本
 1986/日本 監督、脚本:宮崎駿
天空の城ラピュタ
B00005R5J4田中真弓 横沢啓子 初井言榮 寺田農

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この頃、一時アニメから離れていた。仕事が忙しくなったことも相まって、熱心に見ることもなくなったし、アニメそのものに閉塞感を感じていた。それがある日、『漫画映画が帰ってきた!』と謳うこの映画のポスターが目に入り、何となく「宮崎駿か。ナウシカ以来やね。久しぶりに観に行ってみようか…」と思った。

そして、アニメ誌(先行情報)に縛られた目でものをみる、これまでの自分は間違いだったと気が付かされた。何かの情報を頼り、誰かの言葉を入れることで、勝手に知ったつもりになっていただけだった。自分の目でものを見ることを放棄することが、どれだけつまらないことか。身に染みて分かった。

この映画には魅力的な人間が揃い、彼らのパワーが溢れていた。父親を信じ、空を飛ぶんでラピュタを見つけることを夢見るパズーや、亡き王国の末裔の少女シータ。ドーラ一家も豪快さも外せない。そして、ムスカの存在感。すがすがしいほど憎い敵役、そうそうお目にかかれるものじゃない。「人がゴミのようだ!」の台詞に「おうしっ!(ぐっ)」となったのは、私だけではないはず(笑)。こういう冒険物語は、悪役が映えないとつまらない。冷酷なムスカの最期は、ラピュタ崩壊と合わせて、二重のカタルシスを与えてくれた訳だし(^^;

声優さんは本当に巧かった。巷で言われるほど、自分は有名俳優が声を当てることに抵抗はない。でも、ロボットの手を握り返して「パズー!」と叫ぶシータの、悲痛に満ちた声は、にわか声優さんじゃまず出せないと思う。城の中で、呼び合うパズーとシータの声が、早くお互いに届きますようにと、どれだけ祈っただろう。

逆に、声優が本職ではないものの、寺田農のムスカや、初井言栄のドーラばあさんは大正解だと思う。二人の声は、並のことには動じない芯の強さを発揮している。ムスカは冷酷非情で感情を殺した声、ドーラは肝っ玉母さんそのまま。他のアニメのイメージがついてない二人だからこそ、生きた配役だと思う。

作画の練り込みも、今とは比べものにならないほど、しっかりしたものだった。今のジブリも充分動くが、やはりパワーはこちらの方が断然上を行く。印象的だったのは、ラピュタに到着した際、シータが腰の縄をほどこうとするシーン。一瞬、彼女は自分の三つ編みを背中側へ跳ね上げる。
「この作画をした人は『うつむいた作業の時、三つ編みが邪魔になることを知っている』」と、瞬間的に閃いた。この作画をした人は、邪魔になった三つ編みをどうすればいいのかも理解し、その動作を作画して組み込める人と言うことだ。

『クレヨンしんちゃん戦国大合戦』でも述べたが、こういう“何気ない動作”をわざわざ組み込む必要は特に無い。むしろ、省略しようと思えばいくらでもできる。いわゆるめっちゃ細かいことだ。でも、シータと言う人間を描写しようとした時、この動作は存在感の肉付けとしての説得力を持つ。

三つ編みだけでない。目玉焼きを乗せたパンを食べる時も、メモを繰る指も、翻るスカートも、シータを見つけたパズーの片目も、チーズを削る動作もetc…。何気ないとも言えない、あっという間に消える動きにも、細やかな配慮が感じられる。

加えて、横運動(空中飛行や人物が走るシーン)から生じる疾走感や、上下運動(落下や浮遊、上昇飛行)から生じる高揚感や幻想感が、『ラピュタ』と言う映画に命を吹き込んでいる。その、命を支えるにふさわしい作画と、コンマ一秒にまで行き届いたきめの細かいタイミング。結果、一瞬も目が離したくない、心地よい緊張感が生み出されているのだ。

作画も、キャラクターも、お話も、音楽も。全部が一体にまとまった骨太なファンタジー。前情報云々もあり、本当に最後まで純粋に楽しめた。主人公達に同調し、ドキドキハラハラできるのは、実はとても幸せなことなんだと思った。それは子供心に帰ると言うより、心の奥深くに押し込めているものを、引っ張り出した感触に近い。日常生活を送るには必要ないもの、でも、何より大事にしたいもの。そういう気持ちと対面できる時間なのだろう。

あの後、レーザーディスクを買って何度も見直した。LDハードが壊れ、DVD全盛の今も、部屋の隅に保管している。

友人は今も「ロボットが花を差し出すシーン、涙があふれる」と言います。かくいう私は、今もシータの救出劇にくらくらします*人気ブログランキング


★曲が変わるたび、想い出すシーンも変わる
天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎
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Title : 大好きというのが・・・ / Name : chibisaruさん

ほとばしってくるレビューですね♪

ちなみに、私もお花のロボット大好きです
涙こそ流れないけど・・・ポムじいさんより好きだなぁ

2005.07.20(02:39) / URL / #55Kx2.dw / [Edit] /

Title : / Name : LINTS@管理人さん

chibisaruさん>
うはー、恐れ入ります。ハズカシー(笑)
ポムじいさんを初めてみた時、本当に小鬼だと思ったわしって…

2005.07.23(09:26) / URL / #qFJt7nMc / [Edit] /

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