
ザ・リング DTSスペシャル・エディション
2002/アメリカ 監督:ゴア・ヴァービンスキー 脚本:スコット・フランク、アーレン・クルーガー
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「『リング』がアメリカでリメイク」の話を聞いた時、日本版を先に観てたクチとして、ジャパニーズホラーと言う素材を、どう料理するのかに興味津々。何しろ『ハリウッドリメイク』と題された代物は、たいてい独自解釈と称する勘違い演出で、台無しになるパターンが多かったように思う。で、肝心のこの映画だが…(注:以後、日本版『リング』のネタバレも込みます)
日本版ほぼそのまま、と噂に聞いてたけどまさかここまで忠実に作るとは。まず、その点に「へー」。じめじめした闇や、得体の知れない恐怖感をかなり表現できていたから。呪いのビデオ映像が妙に筋立ててあったり、蠅が実物化したり鼻血が垂れたり等、サマラ登場までの準備段階(笑)が分かりやすくなっていたり等、アレンジも入っていたが思ったほど邪魔にはならなかった。
日本版の物語をしっかり反映し、丁寧に練られたストーリーは好感が高い。『ハリウッド・リメイク』に対する悪感情を祓ったと同時に、アメリカ人も日本人的曖昧さを受け入れられたのかという驚きを感じ、そういう意味で面白かった映画。
ただ、どちらが怖いかと言うと、やはり日本版『リング』を挙げる。本当の恐怖は貞子ではなく、最後の松嶋奈々子演じる浅川玲子が、呪いのビデオを観てしまった我が子を助けるために取った行動にある。実父を犠牲に選ぶ母親のエゴイズムと、倫理的観点を揺さぶる驚きが、『リング』を只の恐怖映画でなくしたからだ。ハリウッド版リングは、そのあたりを曖昧にしている。その分恐怖感は薄らいだが、観客の想像に委ねた分、後味の悪さは残るだろう。
…それにしても、アメリカ人も、『リング』という映画はホントに、本当に怖かったんだね…
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★原作本は映画と全く別物。恐怖の根元を徹底的に解析。『リング』
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