

⇒☆この映画を、借りてみる☆
その昔、この映画を観たある友人は、口を曲げて言った。「こんな映画作るより、自分で樹を植えた方がええんとちゃうか」と。友人はこの映画が啓蒙的に見えて、作って自己満足するより自分で動けと言いたかったのだろう。
その後、この映画がきっかけとなり、あちこちで植林運動が起こったとニュースになった。感動が人の心を動かし、何万本もの植林に繋がったのだ。結果としてバックは、映画ひとつで多くの数の樹を植えたことになるのだろう。もっとも、バック自身は、本当に木を植えて欲しいだなんて一片も思ってなかったかもしれない。ただ、この作品から何をを感じ取った人々が、行動を起こしただけなのだ。
大河のごとく流れる色彩は、CGでは出せない味わいがある。アニメーションは基本的に1秒24コマ、つまり24枚描かなければ「1秒」と言う時間が埋まらない。気が遠くなる作業を経て築き上げられた30分間。この、僅かな時間の中に込められたエネルギーはなんなのだろう。かつて、多くの人々の心を動かしたものは、何なのだろう。
この映画を観て、エコロジーや環境問題を云々するのもいいかもしれない。でも、私はバックと言う作家が払った、作品を生み出す苦しみと喜び、そして“心を動かす”と言うものの意味に、想いを馳せたい。
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★フレデリック・バック作品集


★「木を植えた男」の原作。ジャン・ジオノ作 挿画は映画から

BOOK:木を植えた男
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