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ヒトコトシネマ☆インプレッション

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No.112 - 2005.05.21 (14:43) [か・き・く・け・こ]
Title : 風の谷のナウシカ[Nausicaa of the Valley of the Winds]
★蟲愛ずる姫の受難が、後に邦画の歴史を変えた
62_Nausicaa.jpg
風の谷のナウシカ
1984/日本 監督、脚本:宮崎駿
 ⇒☆この映画を、借りてみる

今から20年も前の映画である。

当時でも完成度の高さは驚きだった。滅びを目前にした時代の疲弊感。トルメキアの猛々しさと対比する風の谷の豊かさ。もの悲しく気高い音楽。高レベルで安定した作画力。それらが紡ぎ出す物語。「漫画映画は子供が観るもの」の常識を大きく覆した、革新的な映画だったのだ。
上映されて20年以上経つが、今観ても新鮮な輝きを失わない。たいていの場合、時代の流れに呑まれ、どこかに古くささや時代遅れ感を宿すものだが。宮崎駿の作り出すキャラデザインの普遍性と、扱ったテーマの恒常性に今更ながら「うーん、すごいなあ」と唸ってしまう。

当時、まだ未完成だった原作から必要なピースを取り出し、繋げられたこの映画は、これでうまくまとまっている。蟲への憎悪を秘めたクシャナや、したたかなクロトワが面白い。人間味溢れる彼らがいるからこそ、ナウシカと言うキャラも引き立つ。ナウシカを無条件で慕う城のじい達が、「火は、全てを滅ぼす」と、とつとつと話すシーンは印象深い。

『ナウシカ』の原作コミックが完成されたのは、上映後十数年経ってから。美しいアニメと違い、酸鼻を極める現実にナウシカは生きる。破壊に次ぐ破壊、殺戮に次ぐ殺戮の果てに描かれた、かすかな希望。人々を愛し、王蟲=生命そのものを慈しむが故ナウシカのついた、“嘘”の重さ。「アニメと原作、どちらが好きか?」と聞かれれば、「どちらかと言えば、原作」と答える。あの、情け容赦のない描写が好きなのだ。
でも、これをこのままアニメにして欲しいとは思わないし、成功するとは思えない。仮に原作そのままの話を映画にかけたとして、果たしてこれほど人々に受け入れられただろうか。

娯楽映画としての枠を崩さず、それ以上のものを提供した、職人としての宮崎駿の手腕は、確かに素晴らしい。上っ面だけの美しさ、謳われるテーマの説教臭さに口を尖らせる点も否めないが、それらを超えて『魅せる動き』に引きつけられても良いと、私は思う。

メーヴェの飛翔感だけで、軽くご飯三杯いけるのだ。すでに完敗なのだよ(笑)

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★原作版ナウシカ全7巻。一見の価値有り
62_Nausicaa02.jpg
BOOK:ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」

★久石譲の傑作
62_nausicaa03.jpg
風の谷のナウシカ サウンドトラック はるかな地へ・・・

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風の谷のナウシカ

特に理由はありませんが、今日は、この映画をご紹介したいと思います↓ タイトル:風の谷のナウシカ 監督:宮崎駿 なんか、書くネタがたまたま見つからなかったので、今日は、この映画をご紹介したいと思います。その名もずばり、宮崎監督の「風の谷のナウシカ」

ミュージックファクトリーの音楽・映画情報 2005.12.09 00:35

風の谷のナウシカ

腐海と呼ばれる森で人は、蟲と共存できるのだろうか? 自然との調和をテーマにした素晴らしい作品だと思います。人が壊す自然と人が守る自然。難しいテーマだね。...

Moovle:DVD通販ランキング 2005.05.21 21:48

ジブリ#1 風の谷のナウシカ

タイトル: 風の谷のナウシカご存知、ナウシカれす。この作品って、結構昔の作品なんやね。今までのジブリ作品では、自分はこのナウシカが最高傑作だと考えるよ。根底に流れているこの作品のテーマはズバリ、虫や動物、自然を大事にしよう!だと感じた。いつも何か、映画やDV

もうオレには音楽しかない。 2005.05.21 20:12

『風の谷のナウシカ』のように空を飛べたら…

『風の谷のナウシカ』大好きな映画の一つ。DVD発売されると知った瞬間に、何の躊躇もなく買い物かごに入れてたもん。「人類救済」とか、「地球再生」とかが嫌いな私が、珍しく大好きな「愛は地球を救う」映画です。まず、飛行機大好き。メーヴェでの飛行シーンは、爽快...

*モナミ* 2005.05.21 17:16

風の谷のナウシカ

「かつては階級史観でばっさりと切っていた。善玉と悪玉に分けていた。この映画にも光と闇の二元論は出てくるが、それらはすべて人間の内部に混在してあるものでしかない。人は汚れを生み出しながらも、その環境の中で生きるしかないと考えるようになった」 宮崎駿監督の、94

鏡の誘惑 2005.05.21 16:03

風の谷のナウシカ(1984/日)

漫画は漫画、アニメはアニメと割り切ったところにこの作品の成功があったように思われる。間違いなく歴史に残る名作のひとつ。原作の壮大な世界観を映画の中にこれ以上ないくらい的確に凝縮・体現している。原作とアニメ化された画面のギャップをこれくらい感じさせない

酒とバラの日々 2005.05.21 15:08

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