
風の歌が聴きたい デラックス版
1998/日本 監督:大林宣彦 脚本:大林宣彦、中岡京平、内藤忠司
もし自分が、事故や病気で何らかの障害を負ったとして、周囲の人々から哀れんで欲しいと思うだろうか。可哀想と思われることは、考える以上に、窮屈で屈辱なのかもしれない。
この映画は、耳の聞こえない昌宏と美奈子が出会い、結婚して、やがてトライアスロンへ打ち込んでいく、と言う話。いつもの大林節はかなり薄め、適当に風通しのいい感じなので、それほど苦にはならなかった。障害を扱いながら、偽善的な押しつけがましさがなかったのもポイント高し。特に、美奈子の前向きでパワフルな性格が、映画を明るいものにしている。聾唖者を取り巻く環境は確かに楽観的ではないけれど、それを受け入れつつ伸びやかに生きてるのが気持ちいい。
ただ、2時間45分は、ちょっと長すぎると思う。丁寧に描きたいのは分かるのだが…
結婚式で昌宏の父親が述べた言葉は重かった。この父親がいたからこそ、美奈子を愛せる昌弘が存在したのだろう。
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